『サーチライトと誘蛾灯』は、櫻田智也による連作短編集。
現在3巻が刊行されていて〈エリ沢泉〉シリーズと呼ばれています。
昆虫好きで優しい青年、魞沢泉(えりさわ せん)が各地で遭遇する不可解な事件を解決していく物語です。
短編集なのでサクッと読めるのですが、謎解きは重厚でしっかりミステリー。
主人公の性格が穏やかなので、読後感が重くなりすぎないのが○。
タイトルがミステリーっぽくないので、昆虫学者さんのエッセイ的な本だと勘違いしていました。
読んでみたらとても面白いミステリーだったので、読む順番とあらすじを解説していきます。
テーマに「昆虫」が関わっていますが、細かい描写は少ないので「リアルな虫は苦手」という人にも読めると思います。
ミステリー初心者の人にも、ミステリー好きの人にもおすすめできるシリーズです。
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『サーチライトと誘蛾灯』〈エリ沢泉〉シリーズ 読む順番とあらすじ

〈エリ沢泉〉シリーズは刊行順に読むのがおすすめ。
短編集なのでどの巻から読んでも大丈夫、ではありますが…。
以前の事件で知り合った人と、こっちの話で再開したり…という要素が盛り込まれています。
順番に読んでいると発見を楽しめるので、ぜひ刊行順に読んでみて下さい。
〈エリ沢泉〉シリーズを読む順番
①サーチライトと誘蛾灯
第10回ミステリーズ!新人賞を受賞した表題作を含む連作短編集。
エリ沢くんのとぼけた態度が、イライラせず、重くもならずちょうどいい。
日常の謎、というわけではないのですが(しっかり殺人事件が起こっているので)、掛け合いがコミカルで文体も軽めなので、引っかからずサラサラ読めます。
文体に反して、謎は重厚。
読者が想像していた事態とは、全く違う推理が展開される謎解きパートは圧巻です。
最後の一文に切なくなる作品も。
②蝉かえる
第74回日本推理作家協会賞と第21回本格ミステリ大賞を受賞した、ミステリ連作短編集第2弾。
想像していた真相の奥に、さらに秘密が隠されている作品ばかり!
短編ながら1作目から変わらない重厚な謎解きはそのまま。
たどり着いた真相から垣間見える人間模様の描き方がパワーアップしています。
サクサク読めるけれど、真相が明かされると悲しみや切なさが込み上げてきます。
③六色の蛹
今作は、六つの色をテーマにした連作短編集。
やりきれない気持ちを抱えてしまった事件の関係者に寄り添い、悲しい結末にほんの少し希望を与えてくれます。
重くなりがちな話でも読後感が爽やかなのは、エリ沢くんの人間力によるもの。
当の本人は友人が少ないと言いますが、巻を重ねるごとに交友関係が広がっているのがわかります。
「この話題が出たってことは、この事件の時の関係者だな」と推理(?)しながら読むのも楽しいですよ。
まとめ:『サーチライトと誘蛾灯』〈エリ沢泉〉シリーズ 読む順番とあらすじ
櫻田智也作『サーチライトと誘蛾灯』をはじめとする〈エリ沢泉〉シリーズを読む順番とあらすじを解説しました。
〈エリ沢泉〉シリーズを読む順番
虫好きでお人好しでぼんやりしていて、けれど魅力的なエリ沢くんが探偵役。
連作短編なのでサクッと読めて、読後感も軽やか。
けれど、描かれるミステリーは重厚で、読者の想像を超える真相が待ち受けています。
本筋ではないですが、作品の時系列がバラバラなのも面白い要素の一つ。
作中のアイテムやキーワードで「あの事件の後の話かな」「この人物はあの時の関係者だ」など、時系列の推理も楽しめます。
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