英国で大人気のミステリー、「ワシントン・ポー」シリーズが面白かったので、各巻のあらすじと感想を紹介していきます。
海外のミステリー系ドラマが好きな人におすすめの作品です。
私はAudibleで読んだのですが、海外の連続ドラマを見ている感覚で、おもしろすぎてあっという間に読破してしまいました。
この記事では、「ワシントン・ポー」シリーズを簡単に紹介していきます。
タイトルだけでは読む順番がわかりにくいので、読む順番も合わせて紹介していきます。
ちなみにAudibleだと、4作目までが読み放題対象作品。
聴く読書ならドラマを見ている感覚でストーリーを追えるので、
「人の名前が覚えられない」「言い回しが独特で読みにくい」と感じる人でも理解しやすいですよ。
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それでは、読む順番や各巻のあらすじを紹介していきます。
「ワシントン・ポー」シリーズとは?
「ワシントン・ポー」シリーズは、英国出身の作家、M.W.クレイヴンのミステリー小説シリーズ。
シリーズ一作目の「ストーンサークルの殺人」でゴールド・ダガーを受賞し、英国ミステリ界の頂点と言われます。
国家犯罪対策庁に所属する主人公、ワシントン・ポー刑事と、
相棒の天才的な分析官ティリー・ブラッドショーが、英国で起こる事件を追っていく物語です。
プロファイリングなどを駆使した捜査は、海外ドラマを見ているよう!
探偵が出てくるミステリーとは違いますが、聞き込みや分析、時には直感に頼った捜査で真実を見つける警察小説が好きな人には、ぜひ読んで欲しい作品です。
シリーズの魅力①:個性豊かなキャラクター
ワシントン・ポー刑事は、直感的な捜査手法を駆使し、時に上司の指示を無視してでも真実を追い求める熱血漢。
一方、ティリー・ブラッドショーは、社会性に乏しいものの、天才的な知識と分析力でポーをサポートします。
このバディを中心に、上司のステファニー・フリン警部や、FBIのメロディ・リー捜査官など、強烈で魅力的な人物が登場します。
特にポーとティリーの組み合わせが最高にハマります。
シリーズの魅力②:先の読めない展開
さらに、このシリーズは、先の読めないスリリングな展開で知られています。
「先が読めたと思うなら、あなたは注意が足りていない……」と作者が言う通り、「こうなるんじゃないか?」という予想はストーリーが進むにつれてことごとく外れていきます。
最後の最後まで気を抜けない展開の連続です。
シリーズの魅力③:現代の社会問題に切り込んだテーマ
このシリーズは単なる推理小説にとどまらず、社会問題にも深く切り込んでいます。
ネット犯罪や国の機密などをテーマにした作品もあり、現実離れした事件を描きながら、リアリティを感じることができます。
近年話題になっているテーマを鋭く取り扱っています。
「ワシントン・ポー」シリーズは、ミステリー好きだけでなく、キャラクター重視の物語が好きな読者にもおすすめできます。
物語が進むにつれて登場人物たちの成長や関係の変化が描かれるため、読み進めていくうちにどんどんハマるシリーズです。
「ワシントン・ポー」シリーズ 読む順番は?
「ワシントン・ポー」シリーズは、出版された順に読むのが基本です。
読む順番 (クリックであらすじ解説へ)
2024年8月に続編である『ボタニストの殺人 上』 が発売予定。
個人的には、1巻を最初に読んでおけば、後は順不同でも大丈夫かなという印象です。
私は3巻の『キュレーターの殺人』からこのシリーズの存在を知ったので早く読みたくて、
1巻を読んだ後すぐに3巻を読みましたが、特に問題は感じませんでした。
ただ、前作の内容に触れていて、「勘のいいひとならネタバレになるかも?」という場面もあるので、
ネタバレなしで読みたい人は出版された順に読むことをおすすめします。
多少のネタバレは気にしないから、面白い作品から読みたい!という人は、
次に紹介するあらすじや感想を参考にして、読む順番を決めてくださいね。
「ワシントン・ポー」シリーズ あらすじと感想
各巻のあらすじと感想を紹介していきます。
『ストーンサークルの殺人』 あらすじと感想
『ストーンサークルの殺人』は、ワシントン・ポーシリーズの第1作目。
ポーとブラッドショーがコンビを組む最初の事件は、ショッキングな焼殺事件から始まります。
見どころは、なんといってもポーとティリーのコンビ!
ポーは正義感があり、チームを率いる能力を持っていますが、独自の考え方を持った人物で、周囲からはやや浮き気味。
ティリーもまた、こどもの頃から飛び級で大学に通っていたために、
一般常識や社会性に乏しく、ポーが来る前の国家犯罪対策庁では、周囲に馴染めず浮いていました。
最初はぎこちなかった2人が、お互いの足りない部分を補いながら真実に迫っていきます。
かなりボリュームのある本ですが、「ここから続く⁉ まだ隠された真実があるの⁉ 」と続きが気になりすぎて、読書の手を止められませんでした。
英国小説独特のわかりにくいジョークがあったりして、最初は楽しめるか心配でしたが、
ポーやティリーが好きになるにつれてどんどんハマっていきました。
『ブラックサマーの殺人』 あらすじと感想
2作目は、かつてポーが解決したはずの事件が再び掘り起こされます。
しかも、「無実の罪を着せたのではないか」という、警察官にとって最悪な疑惑をかけられます。
ポーが捜査を進め、自分の手でキートンが無罪だという証拠が一つずつ潰していくのが見ていてしんどかったです。
「ティリー頼む早く来てくれ…!」と呻きながら読み進めていきました。
ティリーが、ポーからのSOSを受けてすぐに行動開始し、
危険を冒して夜中にポーのもとへ来てくれたシーンで、2人の絆を再確認しました。
お互いがお互いの「いちばんの友達」。
ポーとティリーがそろったら、サイコパスシェフとの頭脳戦も怖くない。
というか、ティリーを敵に回すの本当に怖い。おみとおしされる。
最高のバディであることを改めて実感できた巻でした。
『キュレーターの殺人』 あらすじと感想
クリスマスの時期に起きた、切断された指がプレゼントに入れられる悪趣味な事件。
お馴染みのバディ、ポーとティリー、それから妊娠中の上司ステファニー・フリン警部も捜査に参加します。
今回の事件は、犯人「キュレーター」の最悪なほど完璧な計画に沿って進められています。
わずかな手がかりをなんとか手繰り寄せて捜査を進展させていきますが、その進展すら犯人の計画のうち。
ポーとティリーがここまで翻弄されるのは、初めてなんじゃないかなというレベルです。
フリン警部は妊娠中だったので、登場するたびに「無理するな、頼むからはやく産休に入ってくれ…!」と20回くらい呻きました。
まさか、あんなにも恐ろしいことが起きるなんて…。
前作から妊娠のことは描かれていましたが、まさかこうすることも最初から決めていたのでしょうか。
終盤のポーの行動は賛否が分かれるでしょうが、犯人がやばすぎたのでやむなしな気も…。
最高傑作、と評価する人が多いのも納得の作品です!
『グレイラットの殺人』 あらすじと感想
サミットが舞台になった、過去最大スケールのストーリーです。
戦争に絡む軍事作戦や国際的な陰謀など、単なるミステリーを超えたスケール感です。
前作までの猟奇的な事件とは違いますが、かなり重い内容ではあります。
長編のため登場人物も多いですが、かなりインパクトがある人物ばかりなので、誰が誰だかわからない、ということはありません。
ポーとティリーのバディは相変わらずで、序盤、ポーの自宅を巡る裁判で、ティリーはまさかの弁護士役を務めます。
ティリー、頭脳にかけては相変わらずの天才ぶり。
巻数を重ね、ティリーは少しずつ社会性を身に着けていますが、
裁判所にお気に入りのTシャツで登場するところは変わらなくてなんだか安心します。
今作はこの裁判の部分が一番コミカルで安心感があります。
2作前から続いているポーの自宅問題、これすらも今作の伏線に取り込まれていたのが驚き。
700ページ超かなりの長編でしたが、テンポよく展開さていくので、読み進める手が止まりませんでした。
『ボタニストの殺人』あらすじと感想
厳重な警戒態勢の中、どうやってターゲットを毒殺したのかという謎。
そして、エステルの父が誰に殺されたのかという謎。
今作は、この2つの謎を同時進行で解決していく物語です。
最後の最後まで気の抜けない展開の連続!
2つの謎が同時進行で進むのですが、混乱することはなく読むことができました。
「まだこの先の展開があるの!」と最後までびっくりしっぱなし。
毎回シリーズ最高傑作と言われていますが、今回も「最高」を更新しています。
今回は、登場人物たちの関係にも大きな変化が訪れます。
エステル・ドイルはシリーズにずっと登場していたキャラクターですが、今回は彼女の過去やプライベートに踏み込んだ内容。
彼女のことをもっと好きになりました。
「ワシントン・ポー」シリーズ 次回作以降の予定は?
「ワシントン・ポー」シリーズは、2024年8月時点で6作品が日本語版として発売されています。
2024年8月に発売された『ボタニストの殺人 上』『ボタニストの殺人 下』が現時点での最新刊なので、次回作はもう少し先になりそうですね。
「ワシントン・ポー」シリーズは、巻数を重ねてより面白くなっているので、期待も膨らみます!
「ワシントン・ポー」シリーズ新作 Audibleではいつ聴ける?
「ワシントン・ポー」シリーズは、既刊はすべてAudibleで聴けるようになっています。
最新作は、現時点でAudible化するか明確にされていませんが、可能性は高いと思われます。
参考までに、既刊の発売日とAudibleの配信日を記載します。
タイトル | 文庫・Kindle発売日 | Audible配信日 |
---|---|---|
ストーンサークルの殺人 | 2020/09/03 | 2022/10/21 |
ブラックサマーの殺人 | 2021/10/19 | 2022/11/04 |
キュレーターの殺人 | 2022/09/14 | 2023/02/28 |
グレイラットの殺人 | 2023/09/23 | 2023/11/08 |
「ボタニストの殺人」のオーディブル版の発売日は未定。
まとめ:「ワシントン・ポー」シリーズを読む順番
「ワシントン・ポー」シリーズは、読んで損のないおすすめのミステリーです。
1巻ごとに1つの事件を追っていくので、必ずしも順番通り読む必要はありませんが、ネタバレをしたくない人は発売された順番に読んでいくことをおすすめします。
「ワシントン・ポー」シリーズを無料で読む方法
このシリーズは、4作目までがAudible の聴き放題対象作品です。
私も発売されているものはすべてAudibleで聴きました。
「面白そうだけど、海外小説が苦手」「長編小説を読む時間がない」という人は、Audibleを使って、スキマ時間に読書をすることをお勧めします。
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