桜庭一樹さんは、ミステリー・青春小説・社会派小説・文学作品など、幅広いジャンルで活躍する作家です。
デビュー当初はライトノベルを書いていましたが、直木賞受賞作『私の男』をはじめ、大人向けの作品も多数手がけています。
「女性」や「少女」の描写が抜群にうまい作家さんです。
今回は、そんな桜庭一樹さんの小説の中から、ジャンル別におすすめの小説を紹介します!
ライトノベル出身な作家さんなので、テーマが重い作品でも読みやすい文体です。
今まで読んだことがない人も、好きなジャンルの小説からチャレンジしてみてくださいね。
迷ったらこれ!桜庭一樹代表作『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』
どれを読むか迷ったら『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』がおすすめ。
とりあえずこれを読んだら間違いない!
初期の頃の作品で、桜庭さんの良さがギュッと詰まった1冊です。
テーマは重いのですが、語り手が中学生の女の子なので文章はスッと頭に入ってきます。
詳しい内容はこちらの記事に書いていますので、チェックしてみてください。
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桜庭一樹のおすすめ小説:5つのジャンルに分けて紹介

桜庭一樹のおすすめ小説を、次の5つのジャンルに分けて紹介します。
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桜庭一樹ジャンル別おすすめ小説①:ミステリー小説
まずはミステリージャンルからおすすめ作品を紹介していきます。
『GOSICK ──ゴシック──』
桜庭一樹さんの代表作の一つ、『GOSICK -ゴシック-』。
主人公の久城とヴィクトリカのコンビがとっても可愛いシリーズ!
シリーズが進むにつれ、ヴィクトリカの秘密が少しずつ明らかになり、やがて世界を巻き込んだ陰謀が動き出します。
久城は、ヴィクトリカを守ることができるのか?
ライトノベルでありながら、本格ミステリーの要素を存分に取り入れたシリーズなので、ミステリー好きの人もミステリー初心者の人も楽しめる作品だと思います。
『青年のための読書クラブ』
お嬢様学校×ミステリーの連作短編集。
読書倶楽部の部員たちが密かに書き残してきた活動記録という形態の物語。
学園創立から100年間、少しずつ変わっていく時代と、いつの時代も変わらない少女たちの残酷さを見事に描いています。
1話ごとに舞台となる年代が変わりますが、それぞれの時代の特徴がよく表現されていて面白いです。
いつの時代も「影」扱いの読書倶楽部メンバーが核心を知っているところが、読書好きにはたまらない設定。
『赤朽葉家の伝説』
鳥取県の架空の村を舞台にした、赤朽葉家の三世代にわたる女性たちの物語。
祖母、母、わたしを通して、それぞれの時代の女性の生き方がリアルに描かれています。
「何者でもないわたし」という自己評価、刺さってしまうな…。
祖母の時代に起きたある事件と、それにまつわる祖母の嘘に、孫である「わたし」が気づくというミステリーでもあります。
第60回日本推理作家協会賞受賞作。
桜庭一樹ジャンル別おすすめ小説②:家族小説
桜庭さんは、「家族の崩壊と再生」の物語を描くのも得意な作家さん。
おすすめの家族小説も紹介していきます。
『私の男』
直木賞受賞の話題作であり問題作でもある本書。
空虚な寂しさを抱えた2人が、親子以上の関係に溺れていく様子が緻密な心理描写で描かれています。
花と淳悟の関係に賛否両論があります。
2人の犯した罪や、少しずつ明らかになってゆく関係性など、サスペンスとしても読める作品です。
『ファミリーポートレイト』
母と娘という断ち切ることの難しい繋がり、その繋がりが持つ歪みと幸福について描かれています。
大人と周囲の思う幸福は、必ずしも子供の思う幸福とは一致しません。
でも、「ママだけがいればいい」と思うことは、子供にとって幸福か?を考えてしまいます。
「物語」というものが持つ、ある種の救いの話でもあります。
桜庭一樹ジャンル別おすすめ小説③:恋愛小説
桜庭さんは、ガッツリ恋愛ものこそ少ないですが、登場人物間の関係性や感情を緻密に描いた恋愛小説があるので紹介していきます。
『荒野』
思春期の少女の些細な変化や戸惑いを描いている作品です。
12歳、14歳、16歳の主人公の変化が、見事に書き分けられている!
この作品、同じ時期の男女の成長の対比もしっかり書き分けられていて、初対面の頃に大人っぽいと感じた男の子が、16歳になった時に子供っぽく見えるんです。
誰もが感じたことのある男女差がサラッと書き分けられていることに感動。
『少女七竈と七人の可愛そうな大人』
片田舎の町で、素行に問題のある母親のもとに美しく生まれた少女の物語。
田舎の独特のコミュニティの中で、ある種の特異な子供が抱える生きづらさが描かれています。
本人が望んでいないことを押し付けられるので、七竈はいつも怒っています。
同じく美しい幼馴染の少年、雪風さえいればよかったのに、その関係すら少しずつ変わっていきます。
読み終わった時、切なさを感じる物語です。
桜庭一樹ジャンル別おすすめ小説④:ファンタジー小説
多彩なジャンルを描く桜庭さんの作品には、ファンタジーものもあり、ダークな世界観を堪能できます。
伏 贋作・里見八犬伝
ゴシックな雰囲気の江戸時代を舞台に、犬の血を引く者たちと人間との戦いを描いた時代ファンタジー。
古典作品の『里見八犬伝』を桜庭さん独自の視点で再解釈した『贋作・里見八犬伝』が作中に入れ子構造で描かれていて、これだけでも面白く読めます。
伏と人間、光と影、狩るものと狩られるものという対立。
その対立の中で、人間である浜路と、伏である信乃が持つ交流は、胸が熱くなります。
『ほんとうの花を見せにきた』
竹から生まれた吸血種族、バンブーが登場するファンタジー。
時代を変えながら、3編の物語が収録されています。
永遠の命を持つバンブーと人間の決定的な違いを描きつつ、2つの種族の間に確かに生まれる愛情を教えてくれます。
どの物語も切なくて、今生きていることを大切にしたくなるお話です。
桜庭一樹ジャンル別おすすめ小説⑤:社会派小説
桜庭さんの作品で、社会問題をテーマにしたおすすめの小説はこちら。
『ばらばら死体の夜』
「借金」というテーマで、登場人物たちが社会の闇に引き込まれていく様子を描いたサスペンス小説です。
お金がないことの辛さや惨めさは、当事者にしかわからないのだということが細かいところまで描かれています。
取り返しのつかないところまで人を向かわせるお金の怖さ…。
登場人物に共感できるタイプの作品ではないのですが、それでもグイグイ読んでしまう筆致はさすが。
『彼女が言わなかったすべてのこと』
「コロナ禍の東京」と、「コロナ禍にならなかった東京」に暮らす2人がやり取りするパラレルワールド小説。
コロナという、世界的な大事件が起きている世界の中川くんに、波間は自分に起きた異変を告げることを迷います。
個人の問題は世界に関係なく起こるけれど、それを告げることに戸惑う感情、なんとなくわかる。
世界の混乱と、個人の変化に伴う辛さが、どちらも巧みに描かれた作品。
『名探偵の有害性』
平成から令和にかけて起きた時代の変化を「名探偵」というテーマに落とし込んで構成した物語。
過去に正しかったことは、今でも正しいままなのか、を問いかけてきます。
誰もがいずれ「古い時代の人間」になっていくんだって改めて認識。
新しい価値観で判断される過去の行いに、どう向き合っていくべきかを考えさせられました。
桜庭一樹のジャンル別おすすめ小説まとめ
桜庭一樹のおすすめ小説13選を、ジャンルごとにまとめました。
ジャンル | タイトル |
---|---|
代表作 | 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない |
ミステリー | GOSICK ──ゴシック── 青年のための読書クラブ 赤朽葉家の伝説 |
家族小説 | 私の男 ファミリーポートレイト |
恋愛小説 | 荒野 少女七竈と七人の可愛そうな大人 |
ファンタジー小説 | 伏 贋作・里見八犬伝 ほんとうの花を見せにきた |
社会派小説 | ばらばら死体の夜 彼女が言わなかったすべてのこと 名探偵の有害性 |
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